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アーティストインタビュー

#12 村田知哉 村田知哉(むらたともや)

アルバム「209」について。村田知哉(以下、村田): 本作は「今までに作ったデモ音源をまとめる」というコンセプトで制作を始めました。
全て宅録、自分の部屋で誕生したアルバムということで、シンプルに部屋番号の『209』をタイトルに付けました。
曲順は、メッチャこだわりましたね。この曲の後はすぐに次に行くけど、次の曲は間を空けてから入れたり…と、構成は考えました。
今回は1曲目を絶対に弾き語りにしたかったんですよ。「1曲目ってこういうものでしょう」って。
ソロアーティストだってところを見せたかったし、そこからの2曲目、「1994」っていうちょっと爆発力のある曲の流れも俺の中で絶対必要でした。
僕の中で「1994」と「蛍火」はシングル曲で、それ以外はアルバム曲だなと思っていて。だから通しで聞きやすいのかなと。

今作で一番のお気に入りの部分はどこですか? 村田 曲順、流れという意味では、特に6曲目の「ベランダ」から次の「特別」という曲へ繋がるときに鳥の声が聞こえてくるところ。
その「ベランダ」は、カップルで夕食を食べて、そのまま朝になって、朝になったからそろそろ寝ようか、という歌なのですが、曲の後に入っている鳥の声は俺の部屋からハンディレコーダーで、ちゃんと朝に録ったものなんです。「ちゃんと朝録れた!」「朝っぽい音録れた!」って。結構そういう細かい所を頑張りました。

曲順や構成にそれほどまでこだわったのはどうしてなのでしょうか。 村田 僕が人生で最初に買ったアルバムは、Mr.Childrenの『深海』なんですが、これがすごいんですよ。1曲目から全部通しで聴けるアルバムなんです。それを小6のときに買って、聴いて、「アルバムってこういうものなんだ、すげえ!」って思ったんですよね。もう刷り込みです。そういう作品を聴きまくっていたから、今回のようなアルバム構成になったのかなって。
だから、先ほど、頭から最後まで通して聴けるアルバムだって言われましたが、そう言ってもらえると一番嬉しいです。

特にこういう人に聴いてほしいっていうのはありますか? 村田 部屋でCD聴くとき真っ暗にして一番隅で体育座りして聴くのが好きなんです(笑)。だから、そういうのが好きな人はぜひ聴いてほしいかな。いや…、誰にでも聴いてもらいたいです。というか、それくらい、テレビ消音にしてこれをBGMにするというよりかは、1個、1個、言葉を聴いてほしいなって。1人で。1対1で。

できたてのアルバムを携えて、この夏は大阪のイベントに出演したそうですね。 村田 大阪の『見放題』ってイベントだったのですが、お客さんもライブを楽しもうという気持ちがすごくて、それにまずびっくりしましたね。
札幌はそういうイベントがないし、バンドにもそういう力がないし、街全体としてそういうモチベーションがないし。すごく悲しいなと思って。そういうことがわかっただけでも大阪に行って良かったなって思いました。CDも売れたし、たこ焼きもおいしかったし。

村田さんの楽曲は良いメロディを追求していて、歌詞なども言葉のチョイスがうまいと思うのですが、これまで、どんな音楽、本、映画に触れて来たのですか? 村田 音楽的な所は七尾旅人から教えてもらい、歌詞の書き方は川本真琴を意識し、バックのサウンド面はJungle Smileですかね。
あと、フィッシュマンズや中村一義、斉藤和義、山崎まさよしの3義大好きだし。ゆず、黒夢大好きだし、ほかにもいっぱいいます。
本は…、小説は村上春樹くらい。漫画も手塚治虫とあだち充、ちばてつやとか。映画も岩井俊二が好きだし。どメジャーで恥ずかしいのですが、でもある日気づいたんですよね。これだけ音楽聴いているんだから、映画とか漫画とか小説くらいミーハーでいいんじゃないかなって。普通に見て「あっいいな」って思えるのでいいやって。

最後になりますが今後の目標を教えてください。 村田 とりあえず、札幌を盛り上げたいなと。
住んでいるのがメリットとなるような環境になってくれたら嬉しいし、それを次の世代に引き継ぎたいし。まだそういう段階じゃないですけれども。
夢は80歳くらいになったときに、18歳くらいの子が書いた曲をYouTubeか何かで見て「何ていい曲じゃ!」ってその子とコンタクトをとったら、「僕、村田さんのCD聴いてます」みたいな。もう、それが夢ですね。そうなったら勝ちだなと。人生意味があったなと。
「村田さん聴いて音楽始めました」とか、「村田さんの曲聴いて僕も曲書きました」とか。それって、オリコン1位とるよりよっぽど難しいって思うんですよね。

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